・・・・・これまでの学校生活と評価・・・・・ |
■これまでの学校生活と評価 学校の家庭訪問や個人懇談では、担任に「どのような性格のお子さんですか?」と訊かれるたびに 頭をひねり、答えに窮して「結構個性の強い子だと思います。」位しか答えられませんでした。 沢山の長所も短所もある娘ですが、一言で表そうとすれば「個性的」となるのです。 日常生活の中で「?」と感じることも多々ありました。 例えば、潔癖過ぎるほどに几帳面である所と、尋常じゃないほどにだらしない所、 驚くくらい聡明さを感じるところと、見ていてイライラする位に愚鈍さを感じる所などです。 たぶん本来持って生まれた性格と、障害の特性の出る時が場面により違うのだと思います。 一人っ子であり、私にとって初めての子育てだから分からないのだと信じ込んでいましたが 理解されにくい特性を持って生まれて来たのですから、今となって思えば当然だったのかもしれません。 今までの担任教師からは「自分の世界観をもったお子さんですね」とか、 「虫(あるいは動物など興味の範囲)のことならAちゃん(娘)に訊けば知ってるとクラスメートは言っています」等 今から思えば「アスペルガーそのものだわ!」と思われるようなコメントが多かったように思います。 あと絵も得意なようで、立体的な絵を描くのが小さいころから上手でした。 ただ、宿題などで描くものを曖昧に指示された場合は何を描いていいのかが分からず困ることもありました。 例えば「平和ポスター」だとすれば、一体何を題材にすれば良いのかがわからないのです。 親が「ハトでも描いたらどう?」という風に助言を与えればそれなりに描くことが出来ます。 こういう所を見ても、得意なところと苦手なところの差が大きいなと感じます。 また、アスペルガーの人に見られるという、自分の興味のある事(物)に対しての集中力には凄いものがありますし 逆に、興味のない事(物)、嫌いな事(物)には見向きもしない上に拒否反応も非常に強いです。 娘の場合の友達関係は、人数は多くはないものの特に大きなトラブルもなく、 特徴としては、自分が優位に立てそうで気楽な相手と一緒にいることが多かったように思います。 例えば、とてもおとなしく優しく見える子や、ちょっと勉強の苦手な子、 軽いノリで失敗しがちな子、いじめられがちな子など、この場合「優位」という言い方はおかしいかもしれません。 一緒に居て自分が劣等感を感じにくく、一方的な話でも聞いてもらえそうな相手と言う方が妥当でしょうか。 おそらく自分にあまり自信がないため、ハキハキした気の強い子には近づけなかったのでしょう。 でも時には、活発で明るいタイプの友達にリードしてもらっていることもありました。 こういう場合は、自分から積極的に関わったのではなく、相手側から関わってきてくれた場合です。 相手の性格が大人で、他人を尊重することが出来て細かい事をあまり気にしないタイプであれば上手くいくようです。 心配な中で、最近(小6以降)では多彩な友達にも恵まれて親としては安心していたところでしたが、 中学生になり不登校になってからは「一人がいい」と言う事が多くなって新たな心配が増えました。 娘の不登校は、いじめなど本人が自覚するような明確な理由がないだけに、非常に対応が難しくやっかいです。 ただアスペルガーの子は、自分がいじめられている事に気付かないこともあるそうですので 本人が「いじめられていない、友達とは上手くいっている」と信じ込んでいるだけであって、 実際はいじめにあっていたという可能性も捨てきれないのではないかと思います。 笑顔は、たとえ蔑みの笑顔であっても好意的な笑顔であると受け止めてしまう、 他者の表情から感情を読み取ることが苦手であるというアスペルガーの特徴を忘れてはならないと思います。 ★アスペルガーの偉人たち★ アスペルガーの人は「できる事とできない事の差」が大きいとうことも特徴の一つです。 本人が夢中になれることで、特に能力の高いものをさらに伸ばすような方向で見守っていけば もしかしたら過去の天才たちのような偉業を成し遂げる可能性があるかもしれません。 そこまで望まずとも、本人にとって快適で取っ付きやすい仕事に就く事ができれば それに越したことはありません。 この本は、アスペルガー本人やその家族に希望をもたらしてくれるのではないかと思います。 |